マノ - Kakuのブログを - Four Seasons Resort モルディブアットランダーギラーヴァル

きのう、ブルービーチクラブでくつろいでいると、隣の席でマンタコールが鳴り出した。電話を受け取ったカップルはすごく嬉しそうだ。私は「マンタ・オン・コール」のグループにしばらく参加していなかったから、彼らのビーチバッグの中に潜り込んで付いていくことにした。

海に出ると、潮風が体の中を通り抜けて行くのを感じてわくわくした。「2006年からこれまでに4,700匹以上のマンタを目撃して来ました」と頭上の人間の声が声が聞こえる。ゲストに説明しているみたい。「モルディブはマンタの生息数が世界で最も多いエリアです」

声の主は、数年前までランダーギラーヴァルで海洋生物の研究をしていたガイ・スティーブンス博士だ。博士は2003年にフォーシーズンズ・エクスプローラー号に乗船し、初めてマンタと遭遇した。それがきっかけとなり、ここでモルディブ・マンタレイ・プロジェクトを立ち上げることになった。このプロジェクトはマンタの保護活動を行う非営利団体「マンタトラスト」の設立プロジェクトであり、博士は団体の代表を務めている。今はもうランダーギラーヴァルに住んでいないけれど、マンタトラストのメンバーとして帰って来るんだ！

水しぶきが上がって、はっと我にかえった。マンタ・オン・コールのゲストが水中に潜り、マンタが泳ぐのを眺めている。マンタはヒレの先端をバレリーナのように優雅にひるがえし、くるくると旋回しながら、水面のプランクトンを大きくな口でたくさん食べている。

「やあ、Kaku！」古い友人のマノがひょっこり水面に顔を出して、挨拶する。それから大きなジャンプ (ブリーチング) をして、バシャンと水面に着陸した。その振動がこちらまで伝わって来る。「ヤッホー！ガイがここにいるよ」と仲間のマンタに呼びかける。

「いったい何の騒ぎ？」私が尋ねると、マノが答える。「マンタの仲間内では、ガイは有名人だよ」「あらゆる種類の国際的なパートナーと協力して、2013年に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約 (CITES)」の附属書IIにマンタが掲載されるように働きかけてくれたんだ。彼のような環境保護活動家のおかげで安心して暮らせるのさ！」

マノはトンボ返りしながら離れて行った。私も例のカップルのビーチバッグに潜り込んだ。一人の人間の献身的な努力が、地球規模で種の保全につながったのだ。本当にすごい。今度質問してみよう。一人でどんなインパクトを与えることができるのか。きっと参考になると思う。