先日、コーラルガーデンのそばを通り過ぎたときに、サンゴの一部が白くなっていることに気がついた。ショックで顔が青ざめたときってあんな感じ。病気なのかな？

私のミューズであり、このあたりのサンゴ礁の中で最も美しいサンゴであるクレシダのもとに急いだ。彼女ならきっと答えを知ってる。

「こんにちは、Kaku。」なんて甘く優しい声。顔に血がのぼって赤くなってきた… 白くなったサンゴに色を分けてあげられたらいいのに！私は早速ここに来た理由を説明した。彼女の表情があっというまに曇っていく。

「すごく悲しい。私たちサンゴは硬い外骨格を持っているから丈夫だと思われているけど、環境の影響を受けやすい生き物なの。」「地球温暖化によって海水温が少し上昇するだけでも、大変なストレスを感じてしまう… 場合によっては致命的なほど！」

クレシダは、体内に共生している褐虫藻のせいでサンゴに色がつき、養分ももらっていることを説明してくれた。水温が上がると、この褐虫藻がいなくなり、サンゴの色が抜けて白くなる。養分も取れなくなってしまう！

「白くなったサンゴは餓死しそうなサンゴなの。」「海水温が下がれば、何とか切り抜けらるかもしれない。でも「白化現象」はサンゴが深刻なストレスを受けているサインなのよ！

そうか、ランダーギラーヴァルのリーフスケイパーがラグーンの温度を常にモニタリングして、いろいろな場所にサンゴフレームを設置したり、一番丈夫な種類のサンゴを移植して他のサンゴのために最適な条件を整えているのは、海水温の上昇に対応するためだったんだ！

「ここでは大切にしてもらってるわ」「サンゴ生物学者のチームは休むことなく私たちをサポートしてくれる。モルディブの島々を守りたいし、海の生き物に隠れる場所や住みかを提供したいけれど、海水温が高くなりすぎると私たちは生きていけない。仕事をさせて欲しいの！」

私は家に戻り、ランダーギラーヴァルのサンゴが手厚い保護を受けていることに安心した。でも、今まで以上に地球温暖化対策に積極的に協力しなくては。自分が餓死するほどの強いストレスなんて想像できない！どんな生き物もそんな目に合わせてはいけないわ！